魔術師の最期。Byルスラン

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体のあちこちが痛む。 当たり前だ。 負け戦だと分かっていたのだから。 我が国の勢力は敵国を遥かに下回る。 ボロボロの体に鞭を打って立ち上がり、再び呪文を唱えれば、巨大な光が敵を葬っていく。 焼けた屍肉の臭いが鼻に付いた。 今、自分は死んだ様な顔をしているに違いない。 仲間は次々に倒れ、私の周りには数人の剣士が詠唱時間を稼いでいるが、それも時間の問題だろう。 剣士達もついに膝を付く。 あぁ…もう魔法だけに集中が出来ない。 詠唱しながら杖で敵の剣を受け止め、小さな魔法を確実に相手に決めていく。 何故私はこんなに必死なのか。 相手にとって見れば、数十人相手に魔術師だけが挑む等、滑稽な姿に映るに違いない。 何故こんなに必死かなのか。 決まっている。 我が国、ルスランの為だ。 死者を蘇らせ、酷使する様な非道の国なんかに負けられないからだ。 死者を蘇らせるなど、言語道断。 人の道に反している。 そんな奴らに負けたくない。 何故お前らはそれに付いて行くのだ。 納得等出来なかった。
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