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そんな洋輔は、夢の中にいた。
彼にとっての幸せは、こうして眠っている事であり、これ以上の幸せは洋輔にとってあり得ない事であった。
幼い頃から、大した努力もしないで何でも出来た。
だからと言って自分を天才だと思い込み、おごり高ぶり人を見下すような事はしなかった。
だが、間違いなく天才だった。
「面倒臭いんだよね……」
何でも出来てしまうから、彼の好奇心を満足させる物は無く、寝る事に幸せを感じていた。
そうすれば、面倒臭い事は何も無い。
「ねぇ、そう言えば折原先輩って、彼女とか出来た事あるのかな?」
「えぇ、どうかな実は女に興味無さそうじゃない」
いつの間にか、図書委員は三人に増えていた。
しかし、その会話は本人が聞いていない事をいい事に、失礼極まりない事を言っている。
彼女いるのかな?
彼女とか出来た事、あるのかな?
疑問の分類上は似たようなものでも、この二つでは大きく違っていて、後者は明らかに言葉自体に悪意さえ隠っていそうだ。
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