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高校三年生。十七歳の彼の身長が伸びない事も無いが、高々一週間で伸びる事は無いだろう。
だが、紗理奈の目には一回り大きくなって見えた。
「あれっ、先輩太った?」
「いやいや、太るはず無いでしょ。かなりの少食だって噂だし、欲を言えばもう少し太って欲しいくらいじゃん」
「彼女になる娘は、余程細くないと実際より太って見られそうだしね」
図書委員の話しは、あっと言う間に論点がずれて有らぬ方向へと向かったが、彼女達なりに洋輔の変化を感じ取ったようだ。
そこに、一週間前と同様に二年生の女子が二人で、洋輔の前に現れて頭を下げている。
勉強を教えろと言うのだろう。
その女子を引き連れて、洋輔が図書室を出るのを図書委員と司書の紗理奈は、口を半開きにしながら目で追った。
「うちの学校って、進学校だよね?」
「うん、県内でも有数のね」
「実は勉強を教えてもらうって口実で、先輩に近付いてるなんて事は無いよね?」
「実は、かなりモテるとか?」
「私達が、知らないだけ?」
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