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その女子の目的は、明らかにそれであった。
既にその女子の手には携帯が握られており、更に言えば赤外線の受信準備が終わっている。
「何それ……」
「いや、だから携番とアドレスの交換をしておけば、勉強が分からない時にいつでも聞けるかと……」
「もしかして、目的は最初からそれ?」
「いや、まぁ、えっと……」
目的を見破られた二年生の女子は、後退りしながら教室をゆっくりと出ていった。
出た直後の話し声が、教室内の洋輔の耳に届いた。
「あぁ、駄目かぁ」
「バレバレだったね」
「折原先輩、あの話し知ってるのかな?」
「先輩の携番とアドレスを携帯に登録すると、半年以内に彼氏が出来るって話しでしょ? 本人が知ってたら効力無くなるよ」
洋輔は、額に手を当てあきれ込んだ。
学校の七不思議だか年伝説並みの話しで、数分とはいえ自分の時間が削られたかと思うと、目眩を起こしそうな感覚に陥る。
「確か、うちの学校って進学校じゃなかったか?」
どこかで聞いた台詞だ。
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