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洋輔の足は、自然と祖父の家に向かう。
人間界における、今までの事との接点を考えた時、祖父の家もその一つであると言えた。
洋輔が短刀の九十九神や鎌鼬を倒す事が出来たのは、その身に河童の精神を宿した双頭の槍があったから。
それを手に入れたのが祖父の家だった。
折原 源治。
折原流古武術の創始者にして、齢八十の老人であるがその身体能力は並の二十代では敵わないほどである。
そんな彼が経営する古武術道場の倉庫で、木箱に入った鬼の手からその槍が出てきた。
「じいちゃんは、妖界の事を何か知ってるんじゃないのか」
短刀の九十九神が起こした事件の後、源治は姿を消した。
九十九神により破壊された道場は、いつの間にか改修され源治や洋輔に、警察の捜査の手が及ばない事も気になる。
そんな源治は、いつの間にか道場に戻っていた。
今日は、諸々を確認したいと思ってる。
「あっ、いたいた。じいちゃん、聞きたい事があるんだけど」
「それより、洋輔。知ってるか?」
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