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鬼との戦いが始まってから、洋輔は時折戦いを楽しんでるフシがあった。
神奈は、それに戸惑う。
ともすれば悲壮感漂いそうになりそうなモノだが、それを楽しむなど理解の範疇を越えている。
特に、今回は鬼達を解放すると言う二次的目的があり、その意味合いは神奈も洋輔も同じ気持ちで受け止めていた筈だ。
そこには、楽しむ感情は無い。
「洋輔さま?」
だが、目の前の洋輔は楽しげに鎖鎌を振るいながらも、次の戦略を頭の中で構築しているように見える。
そして、戦いが動き出す。
分銅の旋回による絶対領域は、守りを固め相手の攻撃を受けつつカウンターを打ち込むようなもの。
相手が、攻めて来なければ何も始まらない。
だが、洋輔は創造した。
絶対領域を維持したまま、相手に突撃をかける事を。
「上手く行けば良いけどな」
絶対領域は、分銅の旋回の速度とリズムを一定に保つ事で、鎌鼬の精神とリンクした鎖鎌が作り出す空間である。
立ち止まり、相手との間合いを図る事で維持できるのだ。
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