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いや、凹凸等と言う生易しい物では無いかもしれない。
深い場所なら子供の背丈以上に抉られ、洋輔を中心として相撲の土俵以上の面積が、平地と呼べなくなっている。
それこそ、これから開拓する荒れ地のようだ。
「これならば、容易には動けまい」
「思った以上に利口だね。それとも、戦士の本能からこうしたのかな」
「小僧が、戯れ事を。それとも、我らを挑発してるつもりか?」
図星だった。
現在、洋輔の立っているタタミ半畳分以外は、荒れ地のようになり下手に動けば、足を取られて絶対領域を維持できない。
鬼は、その隙を狙い攻撃するつもりだろう。
だから洋輔は、鬼達を挑発し攻撃をさせようとしたが、ものの見事に見破られてしまった。
絶対領域は、ただの防御壁となった。
「仕方ない、このまま睨み合ってても何もならないしな」
そう言った洋輔は左手で握っている鎌を振るい、真空波を放ち鬼の隙を作ろうとした。
だが、鎌の作り出す真空波は鬼に効かない。
金棒や鎧が、あっさりそれを弾き返す。
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