第五章 鬼の解放

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         四    神奈は、手際よく四体の鬼の周囲に結界をはった。  四体を一ヶ所に集め、結界を張れば効率的で楽であろうが、神奈はおろか洋輔でさえ鬼の巨体を運べる筈も無かった。  よって、個々に結界を張る。  林の結界と違い周囲に木が無い為に、小さな水晶を鬼の四方に置き結界を張った。  これで、結界と浄化の二つの力を放つと考えている。ある意味、神奈としても賭けのような気持ちで結界を張ったが、期待した効果を得る事が出来た。  そして、洋輔は最後の鬼へと視線を送る。 「神奈ちゃん、どう?」 「今後、この方法で妖の浄化が出来ましょう」 「良かった。これで、残るはあいつだけだね」 「左様で御座います。ですが、あの鬼は浄化する事は叶いません」 「うん、分かってる……」  最後の鬼だけは戦闘で打ち倒し、妖武具として封じなければならない。  敷島 篤史の作った金棒に。  篤史の作った金棒は、ステンレスの細身のパイプに特殊な方法で、鋼をコーティングした特製の金棒。  それに、封じる。
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