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洋輔は、鎖鎌を握り直す。
再び分銅を旋回させ、絶対領域を作り出したとて金棒は鬼の手に戻っており、同じ方法で打ち破られてしまう。
かと言って、他の方法で鬼にダメージを与える事など出来ない。
「どうするかな……」
そう言いながら、洋輔の頭脳は戦略を練る。
それが難しければ難しいほど、洋輔の頭脳は回転数を上げ喜びにうち震え顔を綻ばせた。
それが、洋輔の笑顔の理由。
神奈は、幻幽斎と同じだと感じていたが本質的には、意味合いが違っているのである。
戦闘マニアと計算オタク。
二人の違いは、そんなところであろう。
「時間はかかるかもしれないけど、あの方法しかないかな。ただ、鬼と人間の体の構造が違ったらどうしようもないか」
洋輔は、分銅を旋回させる。
そして絶対領域を維持させたままで、ゆっくりと鬼に近付いていく。
「ふんっ、馬鹿の一つ覚えか」
鬼は、鼻で笑った直後に金棒を頭上で旋回させ、前回と同じく絶対領域を打ち破ろうとする。
だが、洋輔が動きを変える。
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