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洋輔は、歩きながら妖武具のイメージについて考えた。
妖には、四つの属性に属する妖と属性に関係の無い妖がいて、妖界での生活圏で分類されている。
河童は水属性。
鎌鼬は風属性。
鬼は地属性。
鎌鼬や鬼は属性に準じたイメージであったが、河童と鬼女は属性とは関係の無いイメージである。
そこに、何かの意味があるのか。
そこで、鬼女のイメージを考える事にした。鬼女と赤子と言う二つのキーワードから、何が連想できるか考えてみる。
「そうか、鬼子母神か」
「洋輔さま、何で御座いますか?」
「うん、神奈ちゃんの鉄扇から伝わる感覚が、赤ちゃんの泣き声って言ってたから考えたんだ」
鬼子母神。
仏教やその他の宗教に於いても名前の出てくる、伝説の鬼女。その名の通り、子を持つ母であり鬼であり神なのだ。
諸説はあるが、天界の神々の子を数多に持ちながら、他人の子を食していた為に釈迦から自分の子を隠され、子を失う母親の苦しみを悟り仏教に帰依したと言う。
それからは、慈愛の神と呼ばれた。
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