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「ねえっ!あたしは和真(かずま)の何なの?!彼女じゃないの?」
「彼女って何?」
「え?」
「俺好きなんて一言も言ってないし」
「なっ!?」
「メンドクサイ女は嫌いだ」
そう言い捨てて和真は女の子のもとを振り返ること無く去っていく。
その後落ちる化粧を気に留めず、醜く泣きわめく女の子をなぐさめて帰すのが俺の仕事。
最初は何時間もかかっていたが、半年もすると慣れたもので、今ではどんなに半狂乱になった女の子でも二時間以内には涙を止めて腰を上げてくれる。
俺は相沢 正人(あいざわ まさと)。この時中学三年生という受験まっただ中だったが、頭は悪くない方で、和真の悪事や我儘の後始末に比べたら余裕なくらいだった。
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