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「セオドア様、ご用意が出来…おや」 小走りで来たのか、軽く息を切らしている。 すぐにノワールの存在に気付くも、表情をくずすことなく聞いた。 「そちらの方は?」 「噴水から出てきたんだ、僕の新しい友達だよ」 「いや間違ってはいないがその紹介はどこか頂けない」 「そうですか噴水から…良かったですね、セオドア様」 「うん、僕嬉しいんだ」 「噴水から出たことに関しては微塵も突っ込まないのな」 主人あっての執事か、執事あっての主人か。 ノワールは呆れたような顔をする。 この世界には珍しく、温かい風だ…と。 「ノワール、僕これからランチなんだ。ジョンの料理は美味しいよ。一緒にどう?」 ノワールの心情をよそに、セオドアは1人で「死神って物食べれるのかなあ?」と首を傾げている。 「腹、減った」 その声に、驚きつつも微笑んだ。 「何か喰わせろ。甘いモノがいい」 「はいはい」 屋敷へ入っていく3人。 薔薇園が風に揺られ、囁くようにざわめいた。 「あらやだ、こんなところにいたのね」 .
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