聖者

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何を思ったのか、分厚い本…聖書なのだが、それを手に取ると表紙をまさぐり文字の一箇所を押し込んだ。 すると ジャコン… 金属音と共に、背表紙がスライドして弾薬が零れ落ちてきた。 「ん~無駄撃ちしたかな」 昨夜の仕事を振り返りため息をついた。 仕事といっても神父の仕事ではない…もっとも天に人を召す事に関しては神の使いとしては合ってるかもしれないが、カゲル自身神などは信じてはいなかった。 今のカゲルの目は、神父の時の優しい目では無く、どちらかというと怖い印象を受ける。 カゲルの本業はいわゆるヒットマン…暗殺者といえる。 とはいっても悪というわけではない。 裏の世界にはいくつかの組織パターンが存在する。 依頼を受ければ例え民間人だとしても殺す組織 同じ殺すとしても、相手は悪のみという組織 そして、絶対的保守の元依頼された者を命がけで守る組織 他にも、組織間で依頼されて救助や治癒だけを目的に作られている組織も存在したりする。 他にも多数補助的なものがあるが割愛しよう。 カゲルはその中でも、悪に対する制裁を行う者としては裏ではちょっとした有名人であったりする。
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