3人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺らに何ができるよ?せいぜいまとまって行動するくらいだろ。
大人に任せるしかないんだ」
昌樹はつまらなそうに言った。
「昌樹、お前悔しくないのか?」
京太が噛みついた。
「…悔しいに決まってるだろ。でも俺らにはできることなんてないんだよ」
「なんだよ、急に物分かりが良くなったな」
二人の間に緊張が走る。
「もう喧嘩なんか止めてよ。兄ちゃんも、京太も」
とうとう忍が泣き出してしまった。
京太はうんざりしたようにため息をついた。
「分かったよ。じゃあな」
京太は、さっさと部屋を出ていく。
僕も慌てて付いていく。
昌樹達の部屋を出て、僕らは一階へ降りていった。
ある部屋の襖が開いていて、僕は偶然部屋の内部が見えた。
そこには、昨日見た日本人形があった。
「き、京太。あの人形…」
僕は、京太の袖を引っ張った。
「あの人形がどうかしたのか?」
「お化け屋敷にあったやつだよ。覚えてないのか」
「さあ?俺しっかり見たわけじゃないから…昌樹が人形落とした後、昌樹をすぐ追いかけたから」
その時、背後に異様な気配を感じた。
僕は、なぜか振り向けなかった。
最初のコメントを投稿しよう!