縁日にて

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20分ほど掛けて、僕は朝食を食べた。 朝の僕にしては、大健闘だ 。 表に出ると、京太達は何やら話し込んでいた。 京太の他に、同い年の昌樹、その弟の忍。 この町に来ると、大抵はこの四人で遊んでいる。 「お、やっと来たな。さあ行くぞ」 山本の兄ちゃんが仕切る形で僕らは川へと出かけていった。 「なあ。さっき何を話してたの」 僕は尋ねる。 「今日、回る屋台の順番を決めてたの。晩飯も兼ねてるから慎重に選ばなきゃな」 川というよりは、小川で僕らはシンプルな釣竿で、釣りを楽しんだ。 ミミズを釣り針に付けることは結局出来なくて、皆に笑われた。 何時間か粘って、釣れたのは、小さなフナが二匹だった。 つまらないので、さっさと川に返して、僕らは、昼ごはんを食べに家に帰った。 これから祭りまでは、夏休みの宿題をする約束になっている。 勉強が結構好きな僕は、こういう場面では仕切り屋になれるから、楽しかった。 早めに宿題のノルマを終わったので、僕らは昼寝をすることにした 。 同じ部屋なので、昌樹と京太の会話が聞こえてくる。 「お前のうちのバーチャンって元気か?」 尋ねたのは昌樹の方だ。 「さあ。離れて暮らしているから分かんねえ。でも元気なんじゃないか? なんで、ばあちゃんの話なんだ?」 「母さん達がヒソヒソ話してるのを聞いてさ」 「お前のばあちゃん、様子がおかしいとか?」 「俺が見る分には普通だ。でもなんだかな…」 昌樹は一方的に会話を切って寝始めた 。 京太もそれに習って、眠り出した。 僕は、祖母の姿を思い浮かべた。 祖母は、この町とは隣にある市に住んでいる。 おじさんの姉夫婦と住んでいるのだ。 滞在している間に一度、おじさんが連れて行ってくれることになっている。 たまにしか会わないが、元気だろうかと考えていたら、眠くなってきた。 そして皆と同じように眠りについた。
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