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おばさんに起こされて、僕らは慌てて祭りが行なわれている神社へと駆けていく。
賑やかな音楽や人の声が聞こえて、静かな町が活気づいているのが分かる。
僕は、ワクワクしていた。
「夕方になったら、優は元気になるんだな」
忍が言った。
「駄目なのは朝だけさ」
僕は答えた。
僕らは屋台を計画通りに回った。
もっとも考えたのは、僕以外の3人だから僕は付いていくだけだ。
それでも楽しかった。
お腹一杯、焼きソバやフランクフルト、たこ焼きなんかを食べた。かき氷までは無理だった。
華やかな屋台が立ち並んだ中に、雰囲気の違う店が目に入った。
電気照明も電球が何個か点いているだけだ。
トタン板に黒い塗料を塗ってテントの側面を覆っている。
テントには、黒いビニール袋が掛けられていた。
よく見ると、「お化け屋敷」と書かれている。
「なんだよ、ずいぶん安っぽい作りだな」
昌樹が、お化け屋敷を指差して笑った。
「悪かったな。でも中は怖いぞ?」
黒い幕の中から、おじさんが顔を出した。
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