お菓子の箱の上

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 これは、僕が誕生日してからの、短くて残酷な人生を語るために設けられた言葉のはけ口なのかもしれない。  そうだ。……きっとそうに違いない。  始まりは恐怖。恐怖という感情が生まれたときに、僕はこの世界……いや、世界と言ってもそれは家の一室にすぎない。  四畳半という正方形の天井なら、まだ気分が良かった。その部屋に一畳を足したことで、この部屋は見た目がわるい。   なんてことを、甘い香りにつられてきた僕が言ったところで意味はないのだろうけど。
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