短編！？

お菓子の箱の上

　きらびやかなライトだと思ったそれは、この大きな空間を照らしている……人工的な暖かみのない太陽が反射して光っているのだ。

　恐怖だと感じたそれは、頭上を通過したライトが僕を切断する物だということを、本能で感じ取っただけにすぎない。

　だけど、その恐怖があったから僕は生まれたのかもしれない。なんて……考えている余裕はいっさいなく。

　それが頭上で光った瞬間に錯乱し、青白い大地を……それこそ足がもげるんじゃないかと思うくらいヒッシに走った。

　甘い香りにつられて歩いてきた道は、誘惑のままに進んできたとき短く思えたのに、恐怖に染まった今となっては果てしなく長い。とイラダチを覚えるほどだ。