二十二話~愛とさよなら

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  何万回言ったか解らないと俯いて もう帰らないものねと空を見上げ 泣いてもいいですか? 今まで積み上げたものもひっくるめてみても 時が経てば景色が違えば適わないのものなのね 空はあの時も青くて今も変わらないのに だけど何かが変わると時は残酷だと思いながら 止まらない私を密かに憎んでいるのでしょうか? 変えられない私を密かに恨んでいるのでしょうか? あなたを思えば蘇ってきそう 変わらない変わることのない想い出も どこかへ行った時も愛してると言った 隣にいればかまわず愛してると言った そう隣にいない時さえあなたが側にいる気がしたから あなたを感じて私はかまわず愛してると呟いた 何回も何回もそう数え切れないほど過去と言われる時間に 愛してる その言葉を積み重ねた 時は無情だと言うけれど積み重ねたものよりも簡単に崩れ去る言葉もあるのね そう、それはあなたへ告げた さようなら…って言葉 どこかへ行った時も愛してると言った 隣にいればかまわず愛してると言った そう隣にいない時さえあなたが側にいる気がしたから あなたを感じて私はかまわず愛してると呟いた 何回も何回もそう数え切れないほど過去と言われる時間に さよならは愛してるって言葉みたいに重ねることはないの さよなら そう、それは…ただ一度きりの言葉でいい
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