二十八話~きれいな花

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  ここに花が 咲いている 私はここに咲いている どこにも 行けず ただ咲いている きれいだよと 誰かが言ってくれた だけど誰かは その場から 立ち去った 幾月幾日 きれいだよと 誰もが言ってくれた だけど誰もが 私の想いをそのままに 立ち去った ただそこに ずっと立ち尽くしたまま きれいだよと 言われ続け ただ立ち尽くしている いつかは枯れ果てる運命ならば 私はここで 立ち尽くしても仕方がないの だから 今私を捕まえてくれた あなたにお願いがあるの 私を摘んでここから連れ出して そして出来るだけあなたの側で きれいに咲かせていて欲しいの だからお願い 命が短くなったっていい あなたの側できれいに 咲いていたいの 街のはずれで 咲いて枯れ果てるよりも あなたの側で 輝けるだけ きれいに咲いていたいの たとえ命が短くなっても あなたの側で きれいに咲いていたいの
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