三十五話~愛と永遠と幸せと

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あなたの心が 満たないように 私はあなたに 少しずつ愛を注ぐ あなたは 私の心を満たそうと 涸れることのない愛を 注いでくれるでしょう いつか無くなってしまう その愛が それが怖くなってしまう いつか涸れてしまう その愛が それが怖くなってしまう 不安な夜が背中を貫くから 許されるなら この満たされていく愛の底に そっと針を刺して 満たされないように 満たされないようにと 私は自分を傷つける それがどうか 気付かれないように 私はそっと隠すのです そしてそっと祈るのです 永遠という言葉を あなたが嫌うのは きっと絶え間ない愛を ずっと注ぎたいからなのでしょうね 永遠という言葉に憧れた人の苦しみ 永遠という言葉を あなたが嫌うのは きっとそれを知っているからなのでしょうね 普段と変わらない生活を 望むことが 幸せと言っていいのか 分からない 誰も経験したことのない生活が 幸せと言っていいのか 分からない だけどどこかで気づくのでしょうね 満たそうとしてくれるあなたが私の幸せだということを… だから気付かないでください 時間を止めないでください あなたは 私の心を満たそうと 涸れることのない愛を 注いでくれる 私はこの愛に針を刺したこと 気付かないで欲しい もし叶うなら 気付かないふりをして欲しい まだ幸せだったと言いたくないのです まだ幸せの途中でありたいから… 満たされることなく 朽ち果ててもいい それがあなたから愛される幸せだと思っています それがあなたから愛される幸せだと思っていますから
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