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父の夢は沖縄で海人ウミンチュになることでした。
海人ウミンチュとは沖縄の独特の言い方で、漁師の事を表します。
全てはこの夢から始まりました。
私は福岡県北九州市の小倉北区出身でした。
小さい頃から何度か沖縄にきていた私達は沖縄が大好きでした。
私はバスケ部に所属していてセンターポジションでした。
ある7月の夏休みのバスケの行きがけに車の中で父が私に言いました。
「優衣は沖縄に引っ越してもいいか?」
急な質問でした。
でももともとお父さんっ子だった私には父の昔からの夢を応援しない訳にはいきませんでした。
「あたしは大丈夫だよ。パパのしたいことなら喜んでついて行くよ。」
この言葉で父は泣いていました。母から聞くと父は凄く私の事を心配してくれいたそうです。もともといじめられていた私は結構太っていていじめの対象にはぴったりでした。しかし小学四年生となるといじめは、なくなっていってみんなに溶け込んでいました。多分父はそれが心配だったのでしょう。馴染んできたいま、私を引き離して良いのか、それとも自分の夢を諦めるのかだから私の返事に涙したのだと私は思いました。
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