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それは何なのか。
両親を救えなかった自分。
両親の後を追えなかった自分。
両親の死を受け入れられなかった自分。
生きているのに、生きていない自分。
涙が一筋。
陽の頬を伝った。
「来ると思った」
「え?」
「あなたは私のもとへ、来ると思った」
何故そう思ったのか。
それは彼女にしか分からないけれど。
何故彼女が気になったのか、陽には分かっていた。
彼女に言う通り、同じだからだ。
全てに絶望して、けれどどこかで求めてる。
たったひとつの希望を。
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