一章:黒革の手帖

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神の目というものは銀座の黒服のなかでも一握りしかないといわれる持ち主の直感で客の職業、好みのタイプ、趣味、年齢、機嫌、成功を見抜くそんな目だ。 銀座の一流のホステスたちも持ってはいるが生憎彼女たちは守備範囲のなかでしか使わない。だから神の目を持つ黒服がほしいのだ、それも女の。 普通は黒服に女性を使うことはない。客をホステスと奪い合うことがあるからだが、私はそこを裏手にとった。ホステスたちにさらに磨きをかけるには女の目が必要なのだ。 どうしても女黒服が欲しい、それも優れた才能と美貌があるそんな黒服が。
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