出会いは喧嘩から

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あの後、寮の自室に案内され、無駄に豪華な内装、家具類に溜息を漏らし、荷解きを始めた。 終えてからはやることもなくなり、ひとまずテーブルに置いてあった生徒手帳を手に取り、校則など基本的な物を読んでみた。うん、大したことは書いてない。 それから飯、風呂と一日の終わりをのんびり過ごし、就寝。 そして話は現在に追いつき、早朝。時刻は、五時か。農民の習慣か早く目が覚めてしまった。 今から勉強などする気になどなるはずもなく、散歩に繰り出すことにする。一人だから、『繰り出す』と言う表現はおかしいかもしれないが、気にしたらダメ。 しっかり鍵を持って部屋を出て施錠。何処に行こうか、と悩み始めると、お隣さんの扉が開いた。 そこから出てきた、イケメン。ただし、残念な。 「おっ、ソルム。おはよう」 「おう、おはよう」 そのイケメンの名前は、シルフェ・オプティマス。 銀色の髪は肩まで伸びている。たまにそれを鬱陶しそうに払うのが癖。……切りゃいいのに、とも思うが、言わないのが大人。ごめん、嘘。 金色の瞳は朝だというのにキラキラと輝いている。……おかしい、こいつはこんなキャラではない。一点以外のことで興味を示すはずがないのだが……。 「やっぱりお前もあれだろ?女子寮に朝這い」 「新しい言葉を勝手に作るなそして俺をお前と一緒にするな」 一息で言うと、短くても疲れるね。
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