始まりはネタから

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ほとんどの村人が集まったことを見ると、再び声が張り上げられる。 「ソルムは、ソルム・ヴォルティスはいるか!?」 近くにいた村人から視線が集まる。「何かしたのか?」との疑問が口にしなくても聞こえそうだった。 ひとまず「さあ?」と言いたげに首を傾げておく。 それを見ると、前にいた人がその場を退く。それが三人ほど続き、俺と声の主が面会できる状況を作り上げた。むしろ、面会しなければならない状況を。 思わず溜息を吐くも、さっさと足を進める。 輪の中心にいるのは、村の入口付近に住んでいるファインおじさんだった。 やや太り気味だが、力強く気さくな人柄なため、村人に慕われている。 この人が取り乱す様は中々拝めない。更に自分に視線が集まる。 そんな若干居辛い雰囲気の中、構わずにファインおじさんが俺に気付いて口を開く。 「おお、ソルム」 「こんにちわ、ファインおじさん」 挨拶は物事の基本です。 「ああ、こんにちわ。……って、そんな暢気に挨拶している場合じゃない!」 「そんなに大変なんですか」 「ああ!ここにいる皆もよく聴いてくれ!」 一拍置いてから、大声で言った。 「ソルムが、合格した!!」 ……耳がキーンとした。
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