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「あ、ソルム。誰だっ……」
おい待て。何だその誤解を招きそうな台詞は。しかも言葉が柔らかい。何時もの刺々しい語調はどうした。
ガシッ、と肩を組んでくるシルフェ。顔を見てみれば、何とムカつく笑みをしていることか。あまりの苛立ちに腹に肘を打ち込んでしまったじゃないか。
そんなコントをしている間に、ルメアが俺の脇と通りぬけてフレミィに近づく。
おい、止めろルーティス。肩をポンポンッ、って叩くんじゃない。俺が悪いみたいじゃないか!?お、俺は無実だ!?
「ミィ、ちょっと向こうでお話しましょう?」
「え?いや、ちょっと……」
「まあまあ」
寝室に消えていった二人。特に何もないから別に構わないが、家主に許可くらいは求めて欲しいものである。あ、今日あの二人に不法侵入されてたわ。
「色々、どんまい」
「止めてくれ、ルーティス。泣きそうになる」
「おま、え……。どうやってフレミィを落と、した……?」
顔面を蹴っておいた。反省はしていない。後悔もしていない。
ガフッ……、と息を漏らしながら、今度こそ確実に意識を失ったことを確認し、玄関先に放り出して鍵を掛けた。
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