古墳にて

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どのくらい意識を失っていたのだろうか。 さくらは、ようやく目を覚ました。 (あれ、この人達、変な格好してる。まるで、日本史で見たような格好。) さくらは、周りを見渡す。どの人も、皆、さくらの服装とは、似ても似つかないものばかり。髪を耳の上で結って、白い布を着て、腰の辺りを紐で結わえ、更に、足首辺りで結わえた格好をしていた。 その人達は、急にさくらの両肩を掴んだ。 「お前は、何者だ」 「わた、わたし…さくら…です」 その声に、反応した一人の男が近付いてきた。 目は切れ長で、やはり髪を両耳の上で結わえた、その中でも、ずはぬけた美貌の男。 「いい響きだな」とにっこり微笑んだ。 「気に入った。この娘は、私の屋敷に連れて行こう。」 と、さくらの手を引いた。 (私、どうなるの?) ここは、逆らわず、素直に着いて行ったほうがいいと、抵抗もせず、着いて行った。
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