見せかけ探検部

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仕方がない。 ここのところ寝不足気味だったので、自分の机に突っ伏して目をつむる。 出かけたあくびを噛み殺し、しばらくまどろみに身を任せることにした。 半ドンという全国共通(かどうかは知らない)のシステムに乗っとり、本日も午前中で授業終了。 どうやらこの学校は生徒に負けず劣らず奇天烈な教師が軒を連ねているらしい、というのが本日の感想。 教師の採用基準の見直しを切実に推奨しておきたい。 何が酷いって、特に体育が悲惨だった。 忘れもしない二時限目、のっけから体操着を着てグラウンドに集められた1-2の男子面々は、多少ざわつきながら先生を待っていた。 体育教師とは全く面識が無かったが、個人的には体操のお兄さん的な爽やかさ溢れる人物を所望していたのだ。 だが始業のチャイムと同時に現れたのは、まごうことなき鬼神だった。 彫りの深いシワ、ここ20年近くは上げられた事のないであろう口角、見るもの全てを射殺さんばかりの眼光を放つ切れ長の目。 阿修羅とヴァルハラを足して2で割ったようなような容姿だ。 そのあまりの強烈オーラに気圧されたクラスメートの様子など気にすることなく、教師は口を開いた。 「体育を担当する轟だ。」 言われた我々は、一斉に一人に視線を集中させた。 自己紹介のときに、『体力だけが自慢です』と言っていた、関本君だ。 二メートル近い身長を誇る彼は、言われたとおりに前に出る。
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