第2話

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「あーあ、行っちゃった。」 残念そうには聞こえない口振りの友人に、秋田が聞いた。 「そういえば、亮介に薬渡したのって、出羽澤なんだよな?」 自分が以前、白藤に使われた肉体的高揚作用のある薬の出所は、出羽澤だと聞いていた。 「亮介?あぁ、白藤クン?そうだよ。何で?」 わかって聞いてくるのが、この友人の嫌なところである。 「あー、何となく…」 「欲しい?」 にやり、と笑う。 「いや、まぁ…うん…」 正直に言っておこうと思った。 「いいよ。あげる。」 何が入っているのか解らない、混沌とした鞄の中から、透明な密封袋に入ったカプセルを取り出した。 二錠入っている。
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