学園

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教師が出て行った後教室内は沈黙に包まれていた だが教室移動だった為先程の女子は教材を持ちそそくさと教室から出て行く 智哉はとっさに女子の後に続いて教室を後にする 廊下に飛び出すと先程の女子がどこか寂しげに窓から裏庭を見つめていた、智哉も気になり窓から覗いて見ると孝が女子と並んでベンチに座っている姿が見えた 女子は悔しそうな表情をしながらそれをただ見つめていた 智哉は悪いとは思いながらも話しかけてみる 「えっと」 女子は智哉に気づくと自ら名乗った。 「月島、月島嘉穂よ平田くん」 月島 嘉穂 (ツキシマカホ) 孝の幼なじみであり風紀委員長でもある 「面目ないなぁ~隣の席で名前すらしらんとは」 智哉は申し訳なさそうに嘉穂に言った 「いいよ別に気にしないでまだ転入して一週間弱だし仕方ないよ」 「すまんね。 で? 嘉穂は孝見てたんかいな?」 嘉穂は小さく頷いた 寂しげな嘉穂の表情に智哉は質問した自分を呪った 「アイツね」 「ん?」 「やっぱなんでも無い! ……ごめん」 「ん~ほなささっきみたいに窓開けて怒鳴り散らしたらええやん」 「え?」 「コラーみたいな勢いでさ、そのが自分らしいんちゃうの?」 嘉穂は智哉の言葉に小さく笑うと窓を開けて裏庭から歩き去ろうとする孝に向かい思いっきり叫んだ 「孝!!絶対にそこ動くな!!」 そう叫ぶと嘉穂は手にしていた教材を智哉に押し付け階段へ向かって全力で走り出した。 辺りにいたクラスメートや他の生徒達は取り残された智哉をジッと見つめていたその空気に耐えきれなくなった智哉も勢いに任せて走り出す 先に走り出した嘉穂は階段を駆け降り廊下をなりふり構わずに走り抜けて下駄箱に着くと靴すら履き替えずに外へと飛び出して行く。 だが一足遅く孝はもう校門を出る直前であった。 「くっそー!!次は絶対逃がさないから!!覚えとけー!!」 嘉穂は力いっぱい叫んだが孝はそれでも振り返る事無く校門から姿を消して行った。
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