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朝から曇天が嫌になる。
通学路を沢山の学生が歩いて行く、そんなごく普通の光景が広がる。
そんな中をロードレーサーに跨って軽快な速度で登校する一人の青年が居る。
彼の名前は、
秋山 孝 (アキヤマタカシ)
タバコは吸うは喧嘩はするわでいわば世間的な"不良"である
本人に自覚なんて物は無い
故に浮いた存在だった
だが一部からの信頼は謎に厚い。
颯爽とロードレーサーを走らせる孝に見るからに好青年が声をかける。
「おーい!! そこの不良~今日はえらい早い時間に登校してきたんやなー」
元気な関西弁に孝はロードレーサーを止めるとロードレーサーを降り青年の横に並んで歩いた
孝は溜め息を漏らすとその青年にダルそうに答える
「智哉……お前なんで朝からそんな元気なわけ?」
孝を呼び止めた青年は
平田 智哉 (ヒラタトモヤ)
関西圏から街に越してきたばかりだ、彼は転校初日から孝に興味を持ちそのまま友人になった
「なんで朝から元気かって言われてもなぁ~飯食ったからちゃうか?」
そんな智哉の軽い返答に孝はもう一度溜め息を漏らす
それを見た智哉は孝の背中を力一杯叩く
通学路にパンと言ういい音が響くと同時に孝の叫びも響く
その声に気付いた他の学生達は小声で笑いながら孝達を見ていた。
「何しやがんだ!イッテェな!!」
怒る孝の顔を見て智哉は満足そうに言った
「ほら元気出たやろ?」
「お前なぁ…」
そんなやり取りをしているとすぐに校門の前まで着いてしまった。
校門には生徒指導の教師である桜井が立って居る
それに気付いた智哉はあからさまに嫌な顔をしながら渋々中へと入ろとしたが、桜井に見事に呼び止められてしまう
「平田!ちょっと鞄の中見せてみろ!」
「なんで? 俺だけ見せなあかん決まりは無いはずちゃいます?」
桜井は智哉の言葉に怒りを露わにしながら怒鳴った
「いいから見せればいいんだ見せれば!! お前みたいな新参者は特に何するか解らんからな!!」
そう叫ぶと桜井は無理やり智哉から鞄を奪おうする。
その謂われのない罪に智哉は怒り、握った拳を今にも振り上げかねない状態だったが桜井が鞄に手をかけた途端に智哉の横でロードレーサーが不意に倒れたかとおもうと次の瞬間には孝が桜井の腕を掴み捻り上げていた。
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