日常

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孝は鬼の様な形相をしなが桜井を睨み付けると桜井の腕を掴んでいる手に更に力を加える。 「テメェいい加減にしとけよ教師でも許されねぇ事はあんだぞ…」 「秋山!! お前も居たのか……俺が悪かった……」 「もういいんだな?」 「あ、あぁもちろん! だから頼むから手を放してくれ」 「智哉行こう…」 孝は桜井の腕を放すとロードレーサーを起こし智哉と共に歩き出した。 「あの……クズが!!」 孝は桜井がそう呟いたのを聞いていたが何事も無かったかの様に駐輪場に向かい ロードレーサーを停めると智哉に言った 「アイツがまたなんかほざいたら言って来いよな?」 「あんがとな、でもなんでアイツあんなにお前に腰低いんや?」 「さぁな」 孝は素っ気ない返事だけを返しゆっくり歩きだすその横を智哉が並んで歩いた、その背後から凄い勢いで走って来る女子が居た。 足音に気付いた二人が振り返ると同時に孝が吹っ飛んだ。 勢いに任せて抱き付かれて無抵抗のまま吹っ飛んだ孝は無言で空を見ていた。 智哉はそれを唖然と見つめていた。 空を見つめる孝の目前に無邪気な笑顔が現れる。 「なぁ~志野、まずは加減を覚える事から始めようか? 軽い強姦だぞこれじゃ……」 孝の上に乗り楽しそうにしている女子は 如月 志野 (キサラギシノ) 孝に好意を寄せている人物でもある 志野はニコニコしながら立ち上がり孝に手を差し出すと孝はその手を掴み立ち上がった 周りでは一部始終を見ていた生徒達が唖然としていたが、孝がそれに気付くと生徒達は一斉にそそくさと捌けて行く 「孝やっと学校来てくれたね、私待ってたんだからね」 志野は少し膨れながら言った。 孝は志野の頭を優しく撫でるとダルそうに答える 「オメェはただ抱き付きたいだけだろ」 「おぉ!!そうだ!! 文句あっか?」 「特にはねぇけど見てる人間はみんな智哉みたいに硬直すんぞ?」 志野は智哉の方に目を向けると智哉は口をポカンと開けたまま硬直していた。 それを見た志野は嬉しそうに笑う そんな事をしているうちに予鈴が鳴り響いた。 智哉は我に帰り二人に急げと言って走り出す その後を志野が付いて走って行くが孝が来ない事に気付き立ち止まると、何故か孝が消え行くそんな風に見えたが気を持ち直し孝を呼んだ。
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