日常

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志野に呼ばれたが孝は歩き出すことすら無く志野に言った 「ワリィ俺ちょっとやることあるから先行ってくれ」 「わかった! けど……ちゃんと帰ってきてね?」 「何?」 「何でもない!! んじゃ先に行くからね」 そう言うと志野は急いで校舎に入って行く。 孝はそれを見届けると校舎裏の庭へと足を進める。 校舎からはHRを始める声が聞こえてくる確実に遅刻であるが気にもせず孝は校舎裏を目指し歩く 校舎裏に到着した孝は庭の奥あるベンチへと目を向けたその目線の先には、 色白で綺麗な肩までの黒髪の女子が座ってカードを眺めていた孝はゆっくりとその女子の方へと歩いて行く。 すると孝に気付いた女子は小さく微笑んだそれを見た孝は小さく手をあげ挨拶をした後女子の横に腰掛ける 「またカードか?」 女子は小さく頷くだけで言葉は無かった 「なぁ…聞きたいんだけどさ?」 「なに?」 小さく消え入りそうだが透き通った綺麗な声で女子は返答した。 「もし、もしだぞ自分じゃ無いさ知らない奴の記憶があるってなったらやっぱ多重人格とかなのかな~ってさ」 「輪廻かもね」 「輪廻?」 「輪廻転生って知らない?」 「よくわかんねぇや」 「人間は死んだらまた人間になるそうやって終わらない魂のサイクルをずっと昔から繰り返し続けてるって仮説」 「なんだそりゃ? じゃあ俺は俺になる前も別の人間で死んだらまた別の人間になんのか?」 「そうね。 そして因果関係で輪廻する前に関係していた人間にまた出会う」 「じゃあ俺と悠子も俺達じゃ無い時に逢ってるのか?」 「仮説上はそうなるわね」 このもの静かな女子は 片瀬 悠子 (カタセユウコ) 孝が興味を持つ女子だが学校内では美人だが奇人と言われ腫れ物の様な扱いをされている。 成績優秀でスポーツも出来るが人間関係を極端に嫌がる。 「孝が別の人間の記憶が在るのはおかしい事じゃ無いけど」 「けど?」 「あまりハッキリと覚えているのはあまり良く無い事らしいの前の人生を繰り返してしまうから」 「前の人生ねぇあのさ悠子」 「なに?」 「どうせ授業出ないんだろ?」 悠子は孝に小さく頷く 「ならちょっと付き合ってくれない? 変な意味じゃないから安心してくれ」 悠子もう一度頷くとカードを鞄にしまい立ち上がった。
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