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予鈴が鳴り響いている廊下を智哉と志野は急いでいた
「んじゃ私はこっちだから~」
そう言い残し志野は教室の中へと消えて行った。
智哉も自分の教室に飛び込むとギリギリまだ教師の姿は無く教室内ではまだ皆騒いでいる
智哉はホッと溜め息をつくと自分の席に座り全力疾走してきたため机に倒れ込んだ。
そんな智哉に横の席の女子が話しかける
「ねぇ? 孝と一緒だったよねキミ」
如何にも気の強そうな女子だったが疲れていた智哉は机に倒れ込んだまま頷いた
「……アイツ絶対逃がさない」
ただならぬ気迫を見せる女子だったが智哉は孝がそう簡単に捕まるとは思って無かったため何も言わなかった
そうこうしている内に教室に教師が入って来ると委員長が起立と礼を叫んだ
朝礼も終わり出席確認が始まった
「秋山くんは今日も休み?」
教師がまたか的な態度で周りに聞くと
「つかアイツの名前呼ぶだけ無駄じゃね?」
「言えてる~つか毎日来ないならヤメロって」
「だよな~学校来ねーでテストだけ別で受けて成績いいとかとかありえねーしマジで」
孝についての事で教室内は一気にざわめきだした。
その事に智哉は怒りが浸透してしまい怒鳴り散らそうと思った矢先、先程話しかけて来た女子が凄い勢いで机を叩きつけながら立ち上がり智哉よりも先に怒鳴り散らした
「グダグダグダグダと!! 本人が居ないと言いたい放題!! いったいあんた達なんなの!! あんた達はアイツの何を知ってて言ってんの!! アイツの事何一つ解んないような奴等がダラダラと文句ばっかりたれてんじゃねぇよ!!」
完全に行くタイミングを逃した智哉はただ唖然とするしか無かった
唖然したのは智哉だけでは無くクラスメート全員がピタリと黙り込んでしまった
女子は言いたい事を言い切ると怒りを露わにしなが席に着くと教師を睨んだ。
その鋭い眼光に気付いた教師は慌てて喋り出した
「えぇっと……秋山くんと如月さんだけが欠席で良いわよね?」
委員長らしき男子は小さく頷くと教師は自分の手荷物を纏めてそそくさと教室から逃げ出して行った
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