444人が本棚に入れています
本棚に追加
「ひつ」
俺がそう呼べば、ソファーへ寝そべる俺の隣でギターのコード練習していた柩が顔をあげる。
「どしたの、咲人」
「いや、何となく呼んでみた」
理由になっていないであろう答えに可愛らしく笑う君。
今日は久々のまとまったオフな訳で、つまりは柩と二人だけで過ごすのも久し振り。
話したい事いっぱいあったんだけど、あっちはギターに集中してるしで。
俺はそんな柩の姿を眺めていた訳だ。
「…ねぇ、ひつ」
「だからどうしたんだって」
「…………好きだよ」
何となくだった。
何でこんな事言ってるのか、自分でびっくりした位で。
君の驚いた顔に余計羞恥心が芽生える。
「いや‥何となくさ」
気まずくて、二人の間に沈黙が生まれてしまった…。
最初のコメントを投稿しよう!