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柩が驚くのも仕方ないかもしれない。
なんせ俺から「好き」だなんて、言った事なんて指で数えられる位だったから。
…ほら、恥ずかしいとか嬉しいって感情と驚いてんのと半々みたいな顔してる。
「咲人からそんな事言うの、珍しいね」
少し笑いを含んだ声で、柩が沈黙を破って言った。
「‥珍しいって。言う時は言うし」
何かニヤニヤ見てくるのやめて。
居たたまれない…。
ギターを抱えたまま、嬉しそうに笑顔浮かべながら見てくるそんな姿に気まずいと可愛いとの壮絶な葛藤………。
「そんな可愛くしてると襲うよ?」
何か悔しくて、でも何か幸せで。
不思議と俺も笑顔が零れてた。
「咲人」
「何?また笑う訳?」
「違うよっ。…俺も好きだって言いたかったんだよ」
「‥また可愛い事言って」
「可愛くないっ!」
他愛ないそんな日常でも
ただ幸せで
こんなオフも君と一緒なだけで
幸せだよ。
end
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