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寛の帰った後の部屋は他人の部屋のようだ。
寂しさや不安でいっぱいになっている。
寛との恋愛は自分の若さを消費している気がする。
20歳そこそこの女の子じゃあるまいし、そろそろ将来のことも考えなければならない。
幸いそれなりの収入のある仕事をしているが、このままオールドミスになるのも覚悟がいる。
夜になると消極的な思考ばかりになってしまう。
寛から離れたいと思えば思うほどからめとられていくような気がする。
亜紀はため息をついて、寛の残していったバーボンを飲み干した。
生ぬるいバーボンはのどの奥にいつまでもひりひりと余韻を残していた。
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