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亜紀はもう一度寛にコールした。
受話器からは
「電波の届かないところにいらっしゃるか…」
圏外のお知らせが届いた。
寛は多分電源を切ったのだろう。
そして明日の昼には
「ごめん、充電するの忘れて寝ちゃってた。」
とか言うのだろう。
亜紀はグラスにバーボンを足した。今日はかなり飲んでいる。もう瓶の底が見えている。
酔いつぶれて布団にはいったら明日は多分二日酔いだ。
そして明日の昼の寛の言い訳には
「そう。私もよくあるわ。」等と答えるのだろう。
たまにこういうどうしようもない夜もある。
それでも亜紀は、よくいう同じことの繰り返しの道を選んだ。
寛から離れても離れなくてもつらいから…。
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