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ゴトンゴトンと
定期的な音を鳴らしながら
レールの上を
普通電車がすべってゆく
真っ暗な窓の外を
ぼんやり眺めて
ぽつぽつと通り過ぎる
街灯の明かり
停車した無人駅では
中年のサラリーマンが
降りていった
忙しくすれちがう特急電車
古い車輪が鳴らす
定期的な音と
アナウンスしか聞こえない
ノスタルジックな
静かな空気が心の中に
ゆっくりしみて
なんだか薬を
服用したかのように、
心地良い
ゆらゆらと揺られ
ゆるゆると流れ
この時がずっとずっと
続けばいいのにと
ぼんやり思う
考えごとをしていた
再びアナウンスが
響きだす
電車は駅のホームへと
ゆっくりと
しかし確実にスピードを
落としている
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