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厳しい真冬に
やられたのか
ほんの少し
カサつく唇
味わうように
触れてみたら
甘いかほりが
鼻をついた
何千年の約束を
吐き捨てたような
そんな罪悪感を
かんじながらも
感じながら
夢中で五感を
研ぎ澄ませる
ささやかな この欲望に
まみれてその
声を耳に焼き
そして今だけは
うつろな意識を
君に向かい
呼び起こすから
君に似た花を教えて下さい
軋む心を切り裂いて
指をきったら
これっきりだと
約束を
刻み付けるよ
今は湿る頬に 身を焦がして
もうほんの少しだけ
ねぇ
恋人でいさせてほしい
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