プロローグ

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サワサワと心地好い風が少年の頬を撫でた----- 「だから!まだ解らないんですって!」 「なら進学にしとけ」 「適当に決めるのが嫌なんです!!」 数刻前の少年…坂上時斗と彼の担任教師との会話だ。 「はあ…嫌になっちまうよ…」 彼……トキトは担任から渡された進路希望カード(といっても再生紙でつくられたプリント)を握りしめ、ため息をついた。トキトは進路について悩んでいた。とりあえず進学か就職かを決めなければいけない。だいたいの生徒が迷わず進学を選ぶなかトキトはこの二択のどちらを選ぶか迷っていた。 「はーあ…何かもうどうでも良いや」そう小さく呟くと渡された進路希望カードをくしゃくしゃに丸めて道端に捨てた。
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