プロローグ

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「うっさいわね!ほっといてよ!」けたたましい声が狭い部屋に響いた。ああ、何て五月蝿いんだろう自分が発した大声にうんざりしつつ少女は扉の前にこの部屋の中にあるなるたけ重い物を置いた。 「ハルカ!出てきなさい!!」怒声をあげながら扉を叩く音と衝撃が少女‥柳 遥にも伝わっていた。 「お願いだから…ハルカ…」数分、怒声が続いた後は決まって悲しげな声で弱々しく扉を叩く。数えきれないほど同じ事を繰り返した。何度も何度も。 それが嫌で仕方ない。 しかしハルカはこの現状を変えられなかった。 遥ねぇ……本当に遥遠くに行きたいわよ。何もかもにウンザリしながらハルカはそう思った。
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