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結局、会議は中止。
帰り道、夕陽を背にあびながら、ひとりで歩く。
昔は隣に誰かがいたのに、と、ぼんやり思った。
幼なじみの喧嘩友達や、最近親しくなった勉強家など、話せる同級生はたくさんいたが、彼の仕事が忙しくなってからは、先に帰ってしまうことが多くなっていた。
「俺っていつも…こうだよな…」
思い起こすと、最近彼はいつもひとりだった。孤独感を感じていた。
いつも、ひとりにされている気がした。
同級生たちの中には、ひとりになることが好きであるがゆえに、よく単独行動をしている者や、自分の殻に閉じこもって、周囲に対して壁をつくっている者も多々見受けられたが、彼はそれを好まなかった。ひとりになるのは、寂しいことだと思っていた。
それは、元々友人が少なかった彼ならではの感覚だった。
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