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彼のすぐ隣を、年数少ない子供たちがわいわいはしゃぎながら駆けて行った。
別段変わってもいない、日常的な光景だったが、彼の瞳には寂しい象徴としてしかうつらなかった。
子供はすぐに大きくなって、親のもとを離れて行く。親のもとから巣立った子供は、目の前にある、まぶしいほど輝いている自分たちの未来しか見ていない。そこまで育ててくれた親の苦労を子供は知らずに巣立つ。巣から出たひな鳥はまた新しく卵を生んで、親鳥となる。
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