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終礼後、彼は生徒会顧問の教師に声をかけられた。今日の授業に出席しなかったことへの叱責を受けた後、生徒会のことを告げられた。
「来週また学園行事についての生徒会を開くからな。この間みたいに、会議室で閑古鳥が鳴くような真似はしてくれるなよ」昨日中止になった会議を次の週に振り替えたのである。
彼は教師の言葉を承諾しながら、ここ数日の自分の本当の気持ちについて考えてみた。
生徒会長といえば、聞こえは良いものの、彼自身はあまり満足していなかった。自分がどれほど学園に貢献しているのかを知る方法は、彼には存在していなかった。教師たちはよく彼に、「頑張っているね」と励ましの言葉をかけてくれるが、彼が何を、どんなふうに頑張っているかまでは教えてくれなかった。
――俺は、いったい、何のために頑張ってるんだ?
自分自身に問いかけても、答えが返って来ないことは知っていた。
――俺は、いったい、何のために生きてるんだ?
返せるほどの答えが自身に無いことも、知っていた。
――俺は。
気分が悪くなって、彼は近くにあったごみ箱を思いきり蹴りとばした。
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