暗の事

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賑わう街の片隅。 橋の上で何をするでもなくただじっと静かに流れ行く川を見ている男が一人。 岩渚煉次郎は土佐勤王党に入ることは既に決めていた。 其なのに何故こんな処に居るのか。 此は煉次郎の悪い癖であり、大きな変化を前にすると何も出来なくなるのである。 今も浮き沈みの無い生活から一気に戦乱の世に駆り出されるという大きな変化を前に、意気消沈していた。
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