当て馬の事

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岩渚煉次郎は下級武士の次男として生をうけた。 岩渚家は位こそ低いものの、剣を教える道場を持っていた。 江戸新派剣術を教えるその道場には30人程の者がいた。 その中には岩渚家の息子、岩渚狂太郎とその弟、煉次郎も含まれていた。 特に狂太郎は幼少の折より剣を叩き込まれて育ってきたが、煉次郎は何の制約も無しに育ってきた。 煉次郎は狂太郎程の力量を持たず、勉学に関心を示しており、しかも次男であった為に父は剣を無理強いすることなく育てていた。
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