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「それで、貴方は私を迎えに?」
「いやいや、おいどんは一寸した御使いでな。」
新兵衛は喋り方を少しずつ崩しており、今などはふざけた話し方になっていた。
「それで、何の因果かおはんと此処で出会うた訳でな。」
「何故初対面の私が判ったのです?」
「そりゃおはん、6尺2寸の人間なんぞ中々見る事は無か。そんなでかい人間と言ったら『えげれす』の者だけだ。」
新兵衛は初対面にも関わらず馴れ馴れしく笑いながら喋り続けた。
一寸の事で笑うところを見ている限り、どうやら笑上戸らしい。
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