夏恋

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『ねぇ!離しっ「逃げんなよ」 『え?』 抵抗していた手が緩んだ瞬間顔がお兄ちゃんの胸元にうずくまった ドクドクドク 心臓の音 大胆なことするわりには緊張してるのかなぁ そう思うと少し笑えてきた 「なに笑ってんだよ」 『何でもない』 私・・・・・・ お兄ちゃんの言葉信じてもいいですか? 逃げてた 自分の気持ちから お兄ちゃんの気持ちから 『お兄ちゃん、私・・痛っ!』 頭に突然の平手うち 『何すんのよ!?』 こっちが怒ってるのにお兄ちゃんのほうが怒ってる感じ? 「今度そうやって呼んだら襲うよ?」 そうやってって・・・・・・ あっ、よよよよべないよぉ 急に顔熱くなってきた 『呼べな、あれ?』 目の前にいたお兄ちゃんがいつの間にか扉のほうへ歩いていた 『ちょっと待っキャッ』 なぜか足がもつれ転んでしまった 立とうとすると 『痛っ』 くじいたのか立てない 私がどんな状況にあるのかも知らずどんどん遠くなっていくあの人 どぉしよぉ、このままじゃ放課後までここだょ カチャ 『夏輝!!!』 扉の開く音がしてとっさに声がでた
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